歯周病はお口の中の感染症の1つで、歯と歯ぐきの間で繁殖した細菌に感染して、歯の周りに炎症が起きる病気です。

歯周病は歯を失う原因のトップを占め、日本人の80%は歯周病に感染していると言われています。もはや国民病とも言える歯周病ですが、初期症状はほとんどありません。50歳前後から症状が現れる方が多く、気づいたときにはかなり進行しています。
当院ではすべての患者さんに歯周病検査を行い、歯周病の早期発見・治療に努めています。放っておくと歯を失う恐ろしい病気ですが、早期発見・治療を行えば、完治が可能です。重度の場合でも、きちんと治療をすれば進行を食い止めることができます。一生自分の歯でものが食べられると、QOL(生活の質)が高まって、充実した日々を過ごせるようになります。当院の歯周病治療で、歯周病から大切な歯を守りましょう!
スケーリング
歯周病治療の基本です。歯科衛生士がスケーラー(専用器具)を使って、歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目に残っている歯垢や歯石をていねいに取り除いていきます。処置後は歯ぐきが引き締まって歯周ポケットの深さが浅くなり、歯周病の症状が改善できます。初期段階の歯周病であれば、数回のスケーリングでほぼ完治できます。
なお、お口の中の汚れは3~4か月で再付着し、そのままにしておくと細菌が繁殖して歯周病が再発します。定期的にスケーリングを行うことで、歯周病の再発を防ぎます。
SRP(スケーリング・ルートプレーニング)
根の部分に付着した汚れは、スケーリングでは取り除けません。SRP(スケーリング・ルートプレーニング)は、歯科衛生士が専用器具で歯周ポケットの奥深くに隠れている歯垢や歯石を除去する処置です。歯周ポケットの内側に器具を入れますが、麻酔を効かせていますので治療中の痛みはありません。歯ぐきの内側の歯垢や歯石とともに、歯周病の原因菌を除去することで歯周病を改善し、再発予防にもつながります。
外科的処置
歯周ポケットが深くなり、通常のスケーリング・ルートプレーニングで汚れを取り除けない場合は、外科的処置を行います。歯周ポケットを切開し、スケーリング・ルートプレーニングで歯石を除去します。
Step1.歯周病検査
歯肉の状態、歯周ポケットの深さの測定、歯の動揺検査をして、歯周病の進行状態を確認します。

Step2.スケーリング
スケーリングで、お口の中に残っている歯垢や歯石を除去します。初期段階の歯周病であれば、数回の治療でほぼ完治できます。歯周ポケットが深く、通常のSRP(スケーリング・ルートプレーニング)で除去できない場合は、外科的処置を行って歯石を除去します。

Step3.再検査
再検査を行い治療の成果を評価します。改善が認められれば、歯周病治療は終了です。

Step4.メンテナンス
治療を終えたあとの健康な状態を維持するために、3か月に一度のメンテナンスをおすすめしています。
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軽度歯周病
歯と歯肉の間に歯垢や歯石が溜まって細菌が繁殖し、歯肉に炎症が起きた状態です。腫れや出血などの症状があります。この段階でしたら、歯科衛生士のブラッシング指導や歯のクリーニングで完治が見込めます。
中等度歯周病
出血や口臭がひどくなり、歯石も目立ちます。歯槽骨の吸収も始まり、歯周ポケットの溝が深くなって歯がグラつくようになります。この段階になると、歯周ポケットの内部に付着している歯石を除去する処置が必要です。痛みを感じるときは麻酔をしますので、痛みはありません。
重度歯周病
歯肉が化膿して腫れあがり、歯槽骨の吸収もかなり進んで、歯のぐらつき(動揺)も大きくなっています。この段階になると、通常の処置で対応できない部位は歯周外科で処置します。それでも保存不可能な場合は、抜歯となります。